清盛の曼茶羅 再現(6/10)
- 2012年6月10日(日)
- カテゴリー|新聞・マスコミ
読売新聞(2012年6月10日)より
清盛の曼茶羅 再現
高野山真言宗総本山・金剛峯寺(和歌山県高野町)所蔵の重要文化財で、平清盛が自らの血を絵の具に混ぜて1156年に寄進したと伝わる「両界曼荼羅図(りょうかいまんだらず)」(別名・血曼荼羅(ちまんだら))について、凸版印刷(東京)が当時の極彩色や描線をテジタル画像で復元した。
「金剛界」「胎蔵界」の2幅(各縦4.2メートル、横3.9メートル)で、茶色に変色し、約1800体の仏は輪郭がぼやけていた。
※再現 血曼茶羅
弘法大師空海(774~835年)が中国から日本に伝えた密教世界が、デジタル技術でよみがえった。
高野山金剛峯寺が、凸版印刷の協力で得た「両界曼荼羅図(りょうかいまんだらず)」(血曼荼羅)の復元データは、幾何学模様に見える部分に縦1.6センチほどの仏の顔がびっしりと描かれ、表情は全て微妙に異なる。
赤外線撮影で得た線を元に、一つずつ描き直した結果だ。
血曼茶羅は空海が持ち帰った図柄を継承した「原図曼茶羅」の中で最古の彩色品とされるが、絹に描かれ長年堂内に掛けられていたため、色があせ、本来の線は不明瞭になっている。
2003年に始まった復元作業では、X線や赤外線の撮影で肉眼では見えない輪郭線を見つけたり、彩色に使われた顔料を特定したりして、元画像に反映していった。
復元データを使い、和紙に高細密印刷する描かれた当時のサイズの曼茶羅(縦4.3メートル、横4.0メートル)と、仏師が絹の布に描く縮小版(縦約1.8メートル、横約1.7メートル)を作製する。
仏の顔すべてに達い